検査・設備紹介Inspection/equipment
「AI機能搭載」胸部X線デジタル画像診断システム
当院のレントゲン検査に、AI機能搭載の「胸部X線画像病変検出ソフトウェア CXR-AID」を導入しました。
人工知能のAIでレントゲンの画像を自動解析し、異常が疑われる範囲を数値、色分けで表示してくれるシステムです。
長年培ってきた経験で、レントゲンの画像から病気の異変を読み取ることは得意領域ではありますが、肺の病気のサインが心臓や血管などと重なっていると見えづらく、画像の診断に高いスキルが求められ、時間もかかっておりました。
しかし、今回導入した「AIによる診断サポート」を利用することで短い時間で精度の高い診断が可能となりました。
10年以上の経験をもつ専門医に対してこのシステムを使った実験で、異常を見つけ出す感度が上がったというデータもあります。
画像解析は約30秒で完了しますので、検査後に長時間お待たせすることもありません。
AI機能の特徴
- ヒートマップ表示機能
肺や心臓などに異常が疑われる範囲を、ヒートマップで表示します。
病気の可能性が低くなるにつれて緑~青、高くなるにつれオレンジ~赤に表示されます。
画像に色がつくことで治療前と治療後の改善の有無が患者さんにも目に見えて分かりやすくなりました。
- スコア表示機能
画像単位で異常がある可能性がどのくらい確実であるかを最大値のスコアで表示する機能です。
検査対象の疾患
肺のレントゲンで見つかる病気のサインとして代表的な3つの所見に対応しています。
- 結節・腫瘤影(小さな塊や腫れ、しこりの類円形の陰影)
- 浸潤影(肺炎や結核などの炎症に見られる陰影)
- 気胸(肺に穴があき肺がしぼんでしまう病気)
結節や腫瘤影(しこり)
結節や腫瘤影は「しこり」ともよぼれ、直径3㎝以下の円形を“結節影”、3㎝以上を“腫瘤影”と呼びます。
結節や腫瘤影を見つけると、肺がんや肺腫瘤などを疑いますが、良性なものもあります。X線検査で発見した場合は、精密検査でより詳しく調べます。
浸潤影(影の広がり)
通常の肺は、空気がたくさん入っており黒く見えます。肺が炎症をおこすと「浸潤影」という真っ白で広がった影がみえます。肺の細胞に浸出液や分泌物などが溜まって写りこむことで白くみえます。浸潤影から肺炎や肺感染症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などを疑います。ヒートマップ機能やスコア表示機能で炎症の程度が確認できます。
気胸
気胸は肺に穴が開いて空気が漏れ、肺がしぼんでしまう状態です。
白色の影にみえる他の疾患とはちがい、気胸は病変部に空気が漏れて黒くみえます。ごくわずかな気胸でもヒートマップ機能で漏れ出た箇所が正確に分かります。
上記のような病気のサインをいち早く見つけることで、肺がんや、肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、結核、気胸などの肺の病気をみつけ、早い段階で治療を始めることができます。
「胸部X線画像病変検出ソフトウェア CXR-AID」は大きな病院でも導入実績があり、医療の現場でも、AI技術は注目されております。
当院の検査は、医師とAIのダブルチェックで早期発見・治療に努めています。
糖尿病診断機器
糖尿病の診断、血糖コントロールの指標であるヘモグロビンA1c(HbA1c)検査が院内で迅速に測定可能です。 HbA1cは採血1~2か月前からの平均的な血糖状態がわかるので、糖尿病などの指導に役立ちます。
自動血球計数CRP測定装置
血液中の細胞数を計測したりCRP(炎症反応)を測定することで、感染症を含めた炎症の程度や貧血などの迅速診断が可能です。
院内で数分程度で結果が出ますので、速やかな治療の判断やお薬の投与が可能であり迅速かつ適切な診察を受けられます。
超音波検査
超音波診断は音波を使用するため、無痛で無害の検査です。
検査時間も数分で短く、気軽に検査を受けられます。
甲状腺超音波検査
甲状腺の病気では、最初に行われる画像検査です。
甲状腺の大きさや、内部構造を観るのに適した検査です。
通常、甲状腺専門外来がある医療機関では、受診日に外来で超音波検査を行っていただけます。
バセドウ病や慢性甲状腺炎(橋本病)の診断に大いに参考になります。
検査の目的
甲状腺の大きさ
甲状腺の大きさを測定します。
バセドウ病や橋本病患者さんの多くは甲状腺が大きくなります。
また、バセドウ病では治療とともに甲状腺が小さくなることがあります。
病気を調べたり、治療経過を観るためにも甲状腺の大きさを調べることは重要です。
心臓超音波検査
心臓超音波検査とは
心臓超音波検査は、超音波(人間の耳には聞えない周波数の高い音)を用いて心臓や血管の形、血液の流れを観察する検査です。
超音波を用いて体内を観察するレーダーと考えていただければよいでしょう。
検査に用いられる超音波は安全性が確認されており、胎児の検査にも用いられています。
人工弁やペースメーカーにも影響はありません。
検査の目的
心臓は、左心室、右心室、左心房、右心房の4つの部屋と、逆流を防ぐための4つの弁からなるポンプです。
心エコー検査では、心臓の大きさ、動き、心臓の筋肉や弁の状態、血液の流れなどを観察し、ポンプが正常に働いているかどうかを判断します。
心エコー検査は、心臓病の診断だけでなく、治療方法の選択、治療効果の判定、手術時期の決定などにも役立ちます。
検査を受けられる方へ
検査に必要な時間は、病気の種類や、患者さんの状態などで異なります。
短ければ15分ほどで終りますが、45分程度かかることもあります。
検査に際しては、体の左側面を下あるいは斜め下にして横になっていただきます。
これは心臓をできるだけ見えやすくするためです。
また、肺が超音波の通過を妨げないよう、息止めをしていただくことがあります。
腹部超音波検査
腹部超音波検査を受ける方へ
お腹の中の臓器、主に肝臓、胆のう、腎臓、すい臓、脾臓などを検査します。
検査当日は、朝食・昼食を食べずに来院して下さい。
- どうして朝食・昼食を食べたらダメ?
- 食事をすると脂質を分解するため、胆のうから胆汁がでます。
胆汁がでると胆のうが縮んでしまい、胆のうの検査(胆のうポリープや胆石など)ができなくなってしまいます。
また、食後は腸管に空気がたまり、臓器の観察が十分に行えなくなってしまうからです。 - コーヒーは飲んでもいいの?
- ミルクを入れなければ大丈夫です。
基本的には水分をとっても良いのですが、牛乳などの脂質を含むものは食事の時と同様に胆のうが縮んでしまうので、避けて下さい。
ただし、あまりたくさん飲むと腸管に空気がたまってしまうので、できる限り控えて下さい。
お腹の部分を出して検査をします。
上着をまくり上げるか、上半身裸になっていただきます。ワンピースなど、上下つながった服装は避けて下さい。
- 事前に予約が必要です。
頸動脈超音波検査
頸動脈超音波検査とは
頸動脈超音波検査は、簡便で視覚的に動脈硬化の診断が出来る検査です。
全身の動脈硬化の程度を表す指標を評価できます。また、脳血管疾患に対する評価も用いられます。
動脈硬化を起こすと血管壁が厚くなったり硬くなったりします。その様子が画像で簡単に確認できます。
被曝も痛みもありませんので、年月を追って動脈硬化の進み具合を知る事が簡単に出来、食生活の改善や運動療法、投薬などによる予防が可能です。
検査の仕方
この検査では仰向けに寝た状態で枕を外し、首の部分に、ゼリーを塗りプローブをあてて、検査をしていきます。
左右合わせて数分程度で終了する簡単な検査です。
痛みもありませんし、リラックスして受けていただけます。
観察項目
- 動脈硬化の有無
血管壁を観察して、動脈硬化の有無を調べます。血管壁は上図のように3層あります。
第1層と第2層を内中膜複合体(IMC)と呼び、その厚さを計ります。
IMCの厚さは通常1mm未満です。1mmを超えると動脈硬化が示唆されます。
IMCは加齢と共に肥厚します。高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満などはIMC肥厚を加速させる危険因子です。 - つまり具合の観察
頸動脈の血管腔を観察します。
総頸動脈の血管径は通常5~9mmです。
動脈硬化があると、血管がつまったり、狭小化したりします。エコーで観察し、治療方針などを検討します。 - プラークの観察
1mmを超える限局性の壁隆起をプラークと呼び、プラークの破綻が脳梗塞などを引き起こす可能性があります。
エコーではプラークの大きさ、形状、表面、内部の状態(硬さ)などを観察し、治療方針などを検討します。
心電図
心臓病の検査の最も基本的なものです。
心臓に異常があると心電図の波相が乱れ、心臓病の種類や重症度を測定できます。
安全かつ簡便なうえに情報量の多い検査です。
24時間ホルター心電図
ホルター心電図検査は当院で解析出来ます。
翌日には結果をご報告できるホルター心電図を行っています。
ホルター心電図では、24時間連続した心電図をとることを可能にしました。
短期間の心電図の記録では以上が見つからない場合でも、不整脈や狭心症などが疑われる場合には、24時間1日の生活を通して心臓の動きを記録します。
小さな記録器を装着していただくので、入院の必要もありません。通常通りの生活をしていただけます。
※入浴可能です。
整脈、狭心症、心筋梗塞、心筋症、心室肥大の発見に有効です。
軽量・小型な防水タイプ
ABI・PWV(脈波伝播速度)
動脈硬化の度合(血管の老化など)・動脈の詰まりが分かります。
高血圧、高コレステロール、糖尿病の方に有用です。
動脈硬化について
気になりませんか?あなたの動脈硬化度
動脈硬化とは血管の弾力性が失われ、硬くなった血管壁にコレステロールなどがたまり、内径が狭くなって血管の流れが悪くなった状態のことです。
現代社会は動脈硬化の危険因子でいっぱい!
現代社会は動脈硬化の危険因子がたくさんあります。
「喫煙」、「肥満」、「ストレス」、「過度の飲酒」などが原因で、高血圧が約3100万人、高脂結症が約3000万人、糖尿病が約1620万人となっており、これを原因とする動脈硬化が日本人の死因の約3割を占めています。
PWV検査(脈波伝播速度)について
PWV検査(脈波伝播速度)は、心臓の拍動(脈波)が動脈を通じて手や足にまで届く速度のことです。
動脈壁が厚くなったり、硬くなったりすると、動脈壁の弾力性がなくなり、脈波が伝わる速度が速くなります。
腕と足の4箇所のセンサー間の距離と脈波の到達所要時間を計測し、計算式(両センサーの距離÷脈波の到達所要時間)にあてはめて得られた数値が高いほど動脈硬化が進行していることを意味します。
検査時間:5分 血圧測定と同じ感覚の簡単な検査です。
スパイロメーター
COPDとは
COPDは、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)と呼ばれ、日本には500万人以上のCOPD患者さんがいると推定されています。
COPDは、タバコなどの有害な空気を吸い込むことによって、空気の通り道である気道(気管支)や、酸素の交換を行う肺(肺胞)などに障害が生じる病気です。
その結果、空気の出し入れがうまくいかなくなるので、通常の呼吸ができなくなり、息切れが起こります。
長期間にわたる喫煙習慣が主な原因であることから、COPDは“肺の生活習慣病”といわれ、社会的にも注目を浴びています。
スパイロメーターによる検査
当院ではスパイロメーターという計測器を用いて、肺の容積や、空気を出し入れする換気機能のレベルを調べる検査を行います。
以下のような項目(肺気量分画)について調べられ、結果から肺機能を診断します。
呼気一酸化窒素濃度(FeNO)
呼気に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測定して気道の炎症状態を評価する、喘息の診断方法です。
FeNOの上昇は、気道に好酸球性の炎症があることを示します。
喘息の診断や、炎症の程度により増減するため喘息治療が必要かどうかの判断や、また薬の効果も分かるため投与量の増減にも役立ちます。
そのため治療の効率化にもつながると考えています。
検査方法
検査は6秒以上息を吹き込むだけです。測定開始から結果表示まで約1分30秒で完了します。
風邪をひいた後は、せきだけが治らずに続くケースが多く、患者さんの約30%は本格的なぜんそくに移行します。
早期に適切な治療を始めれば移行の確率を下げられるため、ほかの慢性的なせきと鑑別に有用です。
3種類のアニメーションで、呼気流量の調節をサポート
ATS/ERSの推奨では、FeNO測定は「50ml/sec±10%の呼気流量で10秒間呼出すること」と規定しています。
NIOX VEROはこの条件を満たした場合だけ、呼気を分析し結果を表示します。
呼気NOの評価方法
低値 (成人25ppb未満、 12歳未満の小児20ppb未満) |
気道の好酸球性炎症の存在はありません。 喘息症状のある患者さんの場合でも、ステロイドホルモン吸入薬の適応はありません。 喘息以外の原因を探る必要があります。 |
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中間値 (成人25~50ppb、 12歳未満の小児20~35ppb) |
気道の好酸球性炎症の存在はありますが、軽度です。 解釈には注意が必要です。 吸入ステロイドホルモン剤を開始し、呼気NO値の変化を追う必要があります。 |
高値 (成人50ppb以上、 小児35ppb以上) |
明らかな気道の好酸球性炎症の存在があります。 喘息の症状がある患者さんには、ステロイドホルモン剤の吸入の効果があります。 アレルギーの原因物質を探る必要があります。 |
マイクロCOモニター
「マイクロCOモニター」は、ニコチン依存症と診断された患者さん(対象患者さん要件必須)に対する禁煙の動機付け及び一定期間の禁煙治療に使用します。
レントゲン
肺結核や肺炎などの肺の炎症、肺がんの早期発見、心臓病の診断に欠かせない検査です。
肺がん、肺結核、肺炎、気管支炎、肺気腫、気胸、胸膜炎、肺線維症、心肥大、胸部大動脈瘤の発見に有効です。
胎児に影響が出る場合がありますので、妊娠中の撮影は避けて下さい。
臨床化学分析装置(ドライケムNX600)
採血した血液を分析する装置です。血糖値、電解質(Na/K/CL)、肝機能(AST/ALT)、腎機能(BUN/Cre)、脂質系(LDL/HDLコレステロール、中性脂肪)、尿酸などの値が分かります。
当院では、富士フイルム社製の「メディカルドライケムNX600」を導入しました。初診での検査が可能です。また検査結果も即日お伝えできます。
院内紹介Hospital
玄関
自動ドア・バリアフリーですので、足の不自由な方・車イスの方も安心してご来院下さい。
受付・待合室
広くて明るい待合室で診察までのひととき、緊張をといてリラックスしてお待ちいただけます。
診察室
診察室を明るく、綺麗にすることで患者さんがリラックスできるように配慮しています。