皮膚がかゆい…実は病気のサインかも⁉
2023.03.18
皮膚のかゆみとは
皮膚のかゆみとは、身体の表面で感じる知覚です。かゆみは「引っかきたくなるような不快な感覚」と定義されています。かゆみを感じるのは、皮膚や目、局部の粘膜などです。脳や胃などの体内の臓器が、かゆみを感じることはありません。
実は、かゆみは身体を守ろうとする防衛反応です。皮膚に異物がついたときにかゆみを感じることで、なんらかの異常が起きているとわたしたちに知らせてくれます。痛みと並んで生体防御反応のひとつと考えられているのです。
ただし、かゆいからといってむやみに引っかいてしまうと、皮膚のバリア機能が落ちてしまいます。症状が悪化する場合もあるため、注意してください。
皮膚がかゆいときの対処法
かゆいからと皮膚をかくと、悪循環になってしまいます。まずは、次の2つの方法を試してみましょう。
- 患部を冷やす
- 意識を他のことに向ける
皮膚の温度が下がると、神経の興奮が鎮まってかゆみを抑えられます。冷やしたおしぼりやタオルでくるんだ保冷剤を、患部に当ててみてください。
また、体を動かしたり本を読んだりなど、かゆみに意識が集中しないように行動してみても良いでしょう。
かゆみの原因
かゆみは皮膚の病気はもちろん、全身の病気が原因という場合もあります。考えられる原因は、おもに次の4つです。
- 神経が敏感になっている場合
- かゆみを引き起こす物質ヒスタミンによる場合
- 皮膚の病気による場合
- 体の病気による場合
1.神経が敏感になっている場合
いわゆるドライスキンと呼ばれる乾燥肌の状態は、皮膚のバリア機能が低下しています。小さな刺激にも敏感に反応してしまうため、かゆみを感じやすくなります。
秋から冬にかけて、空気が乾燥する時期に起こりやすく、気温と湿度が下がるほど症状は悪化しやすくなるので、注意が必要です。布団に入ると体が温まるため、温度差が刺激になってさらにかゆくなります。
2.かゆみを引き起こす物質ヒスタミンによる場合
皮膚に存在するヒスタミンという物質が、かゆみを引き起こすことが知られています。
- 接触性皮膚炎
- 食物アレルギーによる蕁麻疹
- 虫刺されなど
接触性皮膚炎は、いわゆるかぶれのことです。たとえば、化粧品や植物など身の回りのあらゆるものが原因になりえます。
食物アレルギーが起こるのは、食べ物にふくまれるタンパク質が原因です。特定のタンパク質に反応して、症状が引き起こされます。
3.皮膚の病気による場合
かゆみをともなう皮膚の病気は、おもに次のとおりです。
- アトピー性皮膚炎
- 帯状疱疹
- あせもなど
アトピー性皮膚炎は、皮膚の状態が悪くなったり良くなったりをくり返す病気です。アトピー素因を持つ人にみられ、遺伝性があります。
帯状疱疹の症状には個人差がありますが、皮膚の違和感やかゆみを感じる場合があります。
4.身体の病気による場合
皮膚のかゆみは身体の病気が原因という場合もあるので、要注意です。
- 腎不全
- 肝臓の病気
- 糖尿病など
腎臓が悪くなると、老廃物が除去できず体内にたまってしまうことが原因でかゆみを感じます。また、糖尿病は高血糖によって自律神経の働きが障害されて汗をかきにくくなるため、皮膚が乾燥します。
かゆみの検査方法
かゆみの治療は、原因を見つけることが大切です。以下の検査をして、原因となる病気を診断します。
- 問診
- 視診
- 血液検査など
血液検査では、アレルギー体質であるかどうかを調べます。アレルゲンを知ることで症状の改善につながり、アレルギーを意識した生活ができるようになるでしょう。
長引くかゆみをそのまま放置することは、おすすめできません。皮膚のかゆみは我慢せず、当院までお気軽にご相談ください。