疲労感や倦怠感がある…これってコロナウイルス後遺症?!
2023.02.17
「体がなんとなくだるい」
「咳がおさまらない」
「食べ物の味がわからなくなった」
新型コロナウイルス感染症にかかった後も、このような症状が長引いていませんか?もしかして、それは新型コロナウイルス感染症の後遺症かもしれません。
療養期間が終わったにもかかわらず、症状が続いたり、新たな不調が出現したりといったケースが数多く報告されています。
症状は人によってそれぞれですが、重症度にかかわらず、回復してからも後遺症が残る場合があります。
コロナウイルス後遺症にはどんな症状があるの?
新型コロナウイルスの後遺症が疑われるのは、おもに以下のような症状です。複数の症状が同時に見られることもあり、人によって症状や度合いは異なります。
- 呼吸器症状
- 咳や痰が出る
- 息切れしやすい
- 胸の痛み
たとえば、療養期間が過ぎても「会話すると息切れする」「じっとしていても息苦しい」などの症状が続くこともあります。
- 全身症状
- 倦怠感
- 関節や筋肉痛
倦怠感は、高い頻度でみられる症状です。「疲れやすい」といった軽いものから「起き上がれないぐらい体がだるい」といった重度のものまで、さまざまです。
- その他の症状
- 嗅覚・味覚が感じにくい
- 動悸
- 腹痛や下痢
嗅覚障害は「においがしない」「変なにおいがする」などの症状が出ます。味覚については「味がしない」「変な味がする」などが特徴的です。
嗅覚障害は1週間くらいで改善するといわれていますが、長期化するケースもみられます。
新型コロナウイルス感染後、12ヶ月後も残った症状
新型コロナウイルスに感染し、12ヶ月後の時点で5%以上の方に残っていた症状の割合は、次のとおりです。
- 疲労感・倦怠感:13%
- 呼吸困難:9%
- 筋力低下・集中力低下:8%
- 睡眠障害・記憶障害:7%
- 関節痛・筋肉痛:6%
- その他(咳・痰・脱毛・頭痛・味覚障害・嗅覚障害):5%
入院中に酸素投与が必要だった重症度の高い方は、必要なかった方に比べて後遺症の割合が高くなっていることもわかっています。
年代で異なるコロナウイルス後遺症
後遺症の発症は、年代を問いません。20代や30代の若い年代の方でも、多く見られます。
また、たとえ軽症であっても、後遺症に悩まされる方は少なくありません。
- 高齢者に多い症状
高齢者に多い症状(12ヶ月時点)は、次のとおりです。
- 咳
- 痰
- 関節痛
- 筋肉痛
- 筋力低下
男女比では、女性の方が後遺症の症状が長引く傾向があります。
- 若年者に多い症状
若年者に多い症状(12ヶ月時点)は、次のとおりです。
- 脱毛
- 味覚障害
- 嗅覚障害
- 感覚過敏
- 頭痛
コロナウイルス後遺症は、精神障害につながることも
後遺症の症状が一つでも当てはまると、生活の質が下がって精神障害につながることもあります。コロナ禍でのストレスやウイルスに対する恐怖心などが、精神面に及ぼす影響が問題になっています。
たとえば、以下のような症状です。
- 不安
- 抑うつ
- 新型コロナウイルスに対する恐怖心
- 睡眠障害
後遺症として現れるほとんどの精神症状は、時間の経過によって改善するといわれています。ただし、精神的な不調が続く場合は、医療機関の受診を検討してみると良いでしょう。
新型コロナ感染後に調子が悪い…と思ったら医療機関に相談を
後遺症の症状やどのくらい続くかは、個人差があります。多くの方は数週間程度で改善しますが、1年経っても症状が残る方もいます。
新型コロナに感染したことがある方は、長引く体の不調や違和感に気をつけましょう。後遺症なのか、それ以外に原因があるのかを調べる必要があります。
「そういえば、コロナ感染後なんだか調子が悪い」「誰にも相談できず悩んでいる」「なかなか症状が治まらない」とお悩みの方は、ひとりで悩まず早めに地域の医療機関を受診してみてください。